今回のメモはステージ制御。
ベーステーブル上にTH軸(回転テーブル)。
その上にX軸とY軸(X・Yステージ)が乗っかっていて、一番上にワークが乗っかる。
このワークの外周をトレースしたい訳です。
トレースはベーステーブル基準になります。
ココでポイントになるのは、X・Y・TH の順番で、
TH軸が一番下にある場合、TH軸より上のモノはTHの角度によって座標系が変わります。
この為、テーブルのABS(アブソリュート)とX・Y軸のABSは別々で存在します。
※TH軸が一番上に有る場合は、ワークのみTHの角度によって座標系が変わる。
よって、演算では「Table ABS 系」 と「Stage ABS 系」の二種類の座標系を演算します。
コレが今回のステージ系の概要図です。
この条件で、ティーチングを行うポイント、演算の為に入力するパラメータを設計します。
Rに面取りされた四角がワークの外周になります。
ワーク自体を動かし、ワーク外周をベースに固定されている青い三角形の部分(AKNX・AKNY)でトレースして行くような演算になります。
ティーチングポイントとパラメータは、TH軸が0 °の時にワークが0°と言うのが前提で設計しました。
ティーチングポイントは3点
○ ATCX・ATCY : TH軸中心座標 ※今回はX軸・Y軸の原点はTH軸の中心に合わせた為、0 となります。
○ AWOX・AWOY : ワーク中心座標 ※今回はTH軸の中心に合わせた為、0 となります。
○ AKNX・AKNY : トレースポイント座標
この座標をTable ABS 系でティーチングします。
Table ABS 系では何処でも原点を定義出来るので、分り易くする為に、
ATCX・ATCY を0,0 に設定し、ソレに合わせX軸の原点とY軸の原点をとります。
実は、AWOX・AWOYはATCX・ATCY だけで対応出来るのですが、
他機種になった場合、ワークによっては治具がセンターで取れない様なモノも有るかも知れないので、
念の為AWOX・AWOYを設けて有ります。
今回は0,0 になります。
トレースしたいポイントは、図面なりティーチングなりで、設定したTable ABS 原点(TH軸中心)からの座標になります。
パラメータは3点
○ IWW : ワークの幅(X軸方向長さ)
○ IWH : ワークの高さ(Y軸方向長さ)
○ ICR : ワークのコーナーR(面取り半径)
この数値は、座標値では無く、寸法値を設定します
※寸法値は、ABS 系の値と単位を合わせる。
これらのティーチングポイントとパラメータでトレースを行います。
実際のプログラムでは、ワークの全周を演算しておりますが、
ココでは演算式の説明を行う為、1ポイントのみ演算します。
使用する式は全周すべてのポイントにおいて1つの演算式で行います。
トレースを行うワーク外周ポジションのTable 座標系を割出します。
直線部位はそのままAWOX・AWOYとIWW・IWH の計算でOK。
ワークコーナーのRに関しては、先にICR からTable 座標系を割出し、
その値をAWOX・AWOYとIWW・IWH に足したり引いたりして計算します。
このR からTable 座標系を計算する式は、
RX=-R×COS・θ
RY=R×SIN・θ
R の角度辺りのRX・RY を出しております。
割出したトレースポジションのTable 座標系の値を
・ TPX
・ TPY
※Fig.2 の図のASP*X・Y やAEP*X・Y の箇所等
とします。
ワークが四角いので、4辺で角度系が0°系、90°系、180°系、270°系となります。
※R部位も、その角度系から次の角度系に移る際に90°変化する。
その為、トレースポイントが角度によってどのStage 座標系の位置に移動するかを演算します。
・ TKNX=((AKNX-ATCX)×COS・θ)+((AKNY-ATCY)×SIN・θ))+ATCX
・ TKNY=-((AKNX-ATCX)×SIN・θ)+((AKNY-ATCY)×COS・θ))+ATCY
これはアフィン変換の式で、回転中心がズレていた場合に対応する為、ATCX・ATCYを入れてます。
Stage 座標系のトレースポイントが判明すれば、後はトレースポジションのTable 座標系から引けばStage 座標が出ます。
・ STPX=TPX-TKNX
・ STPY=TPY-TKNY
この位置にX軸・Y軸を移動させればトレースポイントとトレースポジションが同じ位置になります。
因みに、下記の計算式で、TH軸が回転した後のトレースポジションのTable 座標位置もが計算できます。
・ TTPX=((TPX-ATCX)×COS・θ)+((TPY-ATCY)×SIN・θ)+ATCX
・ TTPY=-((TPX-ATCY)×SIN・θ)+((TPY-ATCY)×COS・θ)+ATCY
この位置は特に使用しませんが、一応同様のアフィン変換でTH軸回転後の移動値が確認できます。
実際の動作には三軸速度補間が必要になります。
基準軸をTH 軸にして、速度を決定します。
直線移動時(X軸・Y軸のみ)の移動速度を、LSP(mm/Sec) とした時に、
R 箇所移動時(X軸・Y軸・TH軸)の移動速度を出します。
先ず、R箇所の長さを出します。
・ RL=(R×2×π)÷4
この長さが90°動く際に移動するワークの距離ですので、
・ DRL=RL÷90
で1°あたりの移動距離が出ます。
コレとLSP でTH軸の回転速度が出ます。
・ RSP=LSP×DRL
このRSP を基準にX軸・Y軸のスピードを補間すれば直線移動時とR 箇所移動時でトレーススピードが同じになります。
と、言う事で・・・
次回の何かの時の為のメモ残し終了と!!
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