防護服を着たアナウンサーがTV中継を行う。
手に計測器を持ち、現在の放射能レベルを視聴者に伝える。
21世紀にこんな事が実際に起きた。
我々の日本で。
この放送を海外で見ていると、日本がとても深刻な状況に思えます。
福島の原発は、最も甚大な被害を起こした日本の工業製品の一つだとおもう。
普段は日本の技術力云々に付いて肯定的な事は言いませんが、
本心では、日本の技術力は世界トップレベルだと思っています。
しかし、世界トップレベルの事故が発生しました。
日本の技術力の売りは安定性、信頼性、精細性、マメに物を作らせたら世界一の国だと思う。
この事故でその安定性、信頼性に傷がついたことになります。
(因みに、先進性はあえて含みませんでした。
勿論、先端技術の開発も盛んで技術者、研究者も素晴らしいです。
しかし、日本製品のクオリティ面に注目点を置きたい為です。)
安定性、信頼性は近道して築ける技術では有りません。
研究、実験、失敗、数々の経験を積み重ね築き上げるものです。
実は日本人はこう言った「地道な努力」に非常に長けてる人種だと感じます。
1人の天才が生み出すイノベーションで産業を盛上げるといったモデルは日本人は向いていません。
皆で協力し1つの目標に向かって努力する。
これが日本人に一番向いているモデルだと思う。
何故なら、我々の根底に「和」の思想が強く有るからです。
日本人は自己より他人を、若しくは自己と同等に他人を主に行動します。
他人を信用する事が出来るから成り立つ事と思います。
我々は自然と「一丸となる」能力が身についています。
海外では「個」の思想が強いと感じます。
個人のSpecが重要で、Specの高い者を集めれば良い製品が開発出来る。
どちらが正しいかはわかりませんが、
我々日本人は、我々に合ったやり方で進めば良いと思います。
仲間を信じて一つの目標に向かって全力で努力する。
仲間と一緒だから失敗があってもフォローし合える。
仲間と一緒だから一つの思考に囚われず様々な観点で製品を作り上げることが出来る。
自分の為では無く、人の為に物を作るから安定性、信頼性を重要視する。
我々が作り上げてきた製品は、日本人の和の思想が形になった世界で我々にしか作れない物です。
この素晴らしい「和」をこれからも大切にしたいと思います。
地震、津波は天災ですが、原発関連の被害は事故。
未来の事故は努力で防ぐことが出来る。
日本人がそれを世界に証明する。
日本人技術者全員がそう思って頂ければ素晴らしい事だと思います。
私は一人前の技術者ではありませんが、
技術者を目指す者として、日本人の技術力を世界各国の人の為に使いたい。
そして、もう一度世界が認めてくれる「Made in Japan」を目指す。
これが、今の私に出来る小さな復興努力です。